鈴木央さんと言えば「金剛番長」や「ULTRA RED」と言う人が多いように思います。
金剛番長は今もっとも熱い漫画の一つだし、ウル赤は「バイバイジャンプ」で結構な話題になりましたよね。
しかし、私はこのライジングインパクトが一番好きです。
確か9歳か10歳の頃サンタさんに頼んだのは、ライパクのまだ持っていない巻〜最新巻でしたし、
私がゴルフをするようになったのもほとんどこの漫画の影響です。(といっても月一で打ちっぱなしに行く程度ですが)
間違いなくライパクは小学生の頃に一番ハマった漫画のうちの一つでしょう。
そういう漫画は年をとってから読み返しても、相変わらず面白いんです。
この記事を書く前にサラッと読み返してみましたが、確かにそうでした。
この漫画が一番盛り上がるのは、キャメロット杯という大会のシーンでしょう。
その盛り上がりが、もうとにかく半端無い。
「うおおぉぉ」って感じで、飯だろうと深夜だろうとページをめくる手が止まらないです。
こんなことは面白いスポーツ漫画にはつき物なんですが、ゴルフというスポーツでここまで引き込むことはそうそう出来るものじゃないと思います。
例えばスラムダンクの山王戦のときも似たような興奮を覚えますが、あれはバスケという動きまくりのスポーツですよね。
それに対してゴルフというのは、一緒にラウンドする人が一人一人順番にボールを打ち、そして自分のボールの元まで歩いてやっと次の球が打てるというスポーツ。
漫画なのでそれを全て描かずにカットしたりは当然するのですが、それでもやはり間延びした感はぬぐい切れません。
それでもあそこまで引き込まれるのは、ボールを打つキャラとそれを取り巻く一人一人の別のキャラたちの心情が丁寧に描かれているからではないでしょうか。
ゴルフというのはメンタルなスポーツです。
私はこれでも割と色々なスポーツをやってきましたが、その中で一番気持ちで結果が左右されてしまって難しかったのは、間違いなくゴルフです。
一度でも少しリズムが狂うと、普通の人はガタガタと転がり落ちてしまいます。
なぜなら挽回しようとしてリキむと途端に悪い方向へ転がってしまうのがゴルフだからです。
鈴木先生は、そのゴルフのメンタルトラップを本当に上手く描いています。
ゴルフを題材にした全ての作品が乗り越えなければならないその壁を、素人でも分かる分かりやすさをも備えて危なげなく乗り越えているんです。
ゴルフって興味あるんだけど、なんか簡単に学べる良い方法がないかなぁ…、と悩んでる方に是非お勧めしたいです。
少年漫画のわりに技術的な面にも触れている漫画ですし「ゴルフをするときってこういうことを考えるものなんだぁ」というのがよく分かるでしょう。
――と、ここまでキャラの心情描写の秀逸さばかり取り上げていましたが、例のキャメロット杯の盛り上がりの要因はこれだけじゃありません。
むしろ今から言う理由の方が大事かもしれません。
「少年漫画ならではの派手さ」、がそのもう一つの要因です。
小学四年生が400ヤードを平気で越すなんていうありえないことが平気で続々起きるライパクですが、このありえなさがたまらないんです。
ゴルフといえばおっさんのスポーツというイメージが先行するように、ゴルフ漫画というものは普通は青年誌に載っていますよね。
だからこそ、この「ありえなさ」が際立つんです。
ゴルフ漫画として絶対外れちゃいけない部分を押さえつつ、外れるところは少年漫画という強みを生かしてド派手に行く。
ライパクの面白さはこのアンバランスさにあると思います。
心理戦と熱い展開という相反するような要素を同時に取り入れた漫画を読んでみたい人は是非読んでみてください。
文庫化してるんで安く手に入ります。